
日本酒への姿勢
我々株式会社酒泉洞堀一は 『伝統的な酒文化を愛すこと』をベースに、良いものを醸したいという強い気持ちの”造り手”と”醸す酒”に惚れ、それを理解するためにテイスティングを重ねて”味”を知り、製造現場に足を運んで”こだわりや風土”を知ることに真摯に向き合うこと、そして、”売る”というよりは”伝える”・”拡める”という感覚を持ちながら、その魅力を発信していくことに努めます。日本酒の銘柄 から検索
当通販サイトで取り扱いのある日本酒について、各蔵元が醸す代表銘柄です。※ クリックして各蔵元のページをご覧いただけます。
あ行 |
![]() AKABU 赤武/赤武酒造復活蔵 |
雨降/吉川醸造 | 天吹/天吹酒造 |
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新政/新政酒造 | 生道井/原田酒造 | 一白水成/福禄寿酒造 | |
稲とアガベ rice and agave | 射美/杉原酒造場 | 梅乃宿/梅乃宿酒造 | |
![]() 栄光冨士/冨士酒造株式会社 |
![]() 笑四季/笑四季酒造 |
![]() Ohmine/大嶺酒造 3grain | |
奥・焚火・山崎醸/山崎合資 |
か行 | 開春/若林酒造 | 賀儀屋/成龍酒造 | ![]() 風の森/油長酒造 |
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神杉/神杉酒造 | 亀泉/亀泉酒造 | 亀萬/亀萬酒造 | |
![]() 醸し人九平次/萬乗醸造 | 醸す森/苗場酒造 | ![]() 加茂錦 荷札酒/加茂錦酒造 |
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![]() 寒菊/寒菊銘醸 | 菊石/浦野酒造 | 菊姫/菊姫合資 | |
甲子(きのえね)/飯沼本家 | 鯨波/恵那醸造 | 勲碧/勲碧酒造 | |
孝の司/柴田酒造場 | 越乃寒梅/石本酒造 | 米宗/青木酒造 | |
五橋/酒井酒造 | 御前酒/辻本店 |
さ行 | 西條鶴/西條鶴醸造 | 酒屋八兵衛/元坂酒造 | ![]() 彩來/北西酒造 |
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澤の花/伴野酒造 | 而今/木屋正酒造 | ![]() 自然郷・楽器正宗/大木代吉本店 | |
七賢/山梨銘醸 | 秀鳳・珠韻/秀鳳酒造場 | 十八盛・多賀治/十八盛酒造 | |
十六代九郎右衛門/湯川酒造店 | 上喜元/酒田酒造 | 常山/常山酒造 | |
白木久/白杉酒造 | 神亀/神亀酒造 | ![]() 仙禽/せんきん | |
船中八策/司牡丹酒造 |
た行 | 貴/永山本家酒造場 | 大雪渓/大雪渓酒造 | ![]() たかちよ・59takachiyo・高千代/高千代酒造 |
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たけのその/矢野酒造 | ![]() 獺祭/旭酒造 | ![]() 大信州/大信州酒造 | |
楯野川/楯の川酒造 | ちえびじん/中野酒造 | 津島屋/御代桜醸造 | |
土田/土田酒造 | ![]() 天美/長州酒造 |
な行 | 鍋島/富久千代酒造 | narai/suginomori brewery | 奈良萬/夢心酒造 |
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にいだしぜんしゅ・穏・田村/仁井田本家 | 西之門/よしのや | 日々醸造 | |
![]() 二兎/丸石醸造 |
は行 | 萩乃露/福井弥平商店 | 萩の鶴・日輪田/荻野酒造 | 白嶺/ハクレイ酒造 |
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白老/澤田酒造 | 八海山/八海醸造 | 花陽浴/南陽醸造 | |
![]() 羽根屋/富美菊酒造 | 春霞/栗林酒造店 | 半蔵/太田酒造 | |
播州一献/山陽盃酒造 | 聖/聖酒造 | 百春/小坂酒造場 | |
飛良泉/飛良泉本舗 | ![]() 飛鸞/森酒造場 |
富久長/今田酒造本店 | |
ぷくぷく醸造 | 房島屋/所酒造 | 蓬莱泉/関谷醸造 |
ま行 | 万齢/小松酒造 | 三千盛/三千盛 | ![]() みむろ杉/今西酒造 |
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無風/玉泉洞酒造 | 無想/大洋酒造 | 陸奥八仙/八戸酒造 |
や行 | 山形正宗/水戸部酒造 | 山の井/会津酒造 | 山和/山和酒造店 |
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ら行 | 来福/来福酒造 | 洌/小嶋総本店 |
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わ行 | 若竹/大村屋酒造場 | 若波/若波酒造 | WAKAZE |
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W/渡辺酒造店 | 白雪姫/渡辺酒造醸 |
日本酒とは
日本酒・酒の通販サイト(ショッピングサイト)および実店舗運営をしている弊社。
ただ日本酒を販売するのではなく、蔵元の想いをお届けできるよう、常日頃から日本酒文化へ想いを寄せています。
日本酒の歴史をまとめてみました
ここでは、1つの切り口として日本酒の歴史をまとめてみました。
※ 独自でまとめたものであり、偏りや捉え方の齟齬もあるかと存じます。何卒ご了承くださいませ。
歴代の総理大臣が、就任後に各蔵元へ「國酒」と揮毫して配布するほど、日本国を象徴する存在である日本酒。
瑞穂の国である日本の風土をフルに生かし、お米を原料として麹の技術を使い醸す日本酒は、日本国内北から南まで、それぞれの風土や慣習を反映させながら、かなり濃密な歴史を持つ酒です。
日本酒の歴史 ~中世まで~
日本酒の歴史は米の到来時からあり、都があった近畿地区で製造方法が発達したと言われています。
近畿地方の蔵元を訪問すると、日本酒の歴史に多くふれる事ができます。
奈良県にある蔵元 今西酒造「みむろ杉」にて
例えば、奈良県・今西酒造「みむろ杉」の近くには古来からお酒造りの神様として信仰されている「三輪神社」があり、日本最初の杜氏とされる「高橋活日命」も祭られています。以前、蔵元と一緒に周りながら説明を受けました。


奈良県にある蔵元 油長酒造「風の森」にて
奈良県・油長酒造「風の森」訪問時には、奈良市郊外にある正暦寺に一緒にお伺いし、まさにその地で室町期に起こったという酒造技術発達の話を聞きました。
安定した酒母仕込みの走りである「菩提酛」はここで始まり、その取り組みが現在の清酒の基本につながっているとのことで、「日本清酒発祥之地」の石碑があります。



また、現代の日本酒造りで欠かせない「段仕込み」や「火入れ」も、この近辺(奈良)で同時期に始まったそうです。
日本酒の歴史 ~江戸時代~
当通販サイト拠点の地元の愛知県も、日本酒の歴史に一つ絡んできます。
現在中部空港がある知多半島は、天然の良港に恵まれたこともあり、江戸時代中期には大都市江戸の消費需要の大部分を賄っていたそうです。日本酒の生産も盛んになり、当時は蔵元が300以上のだとか。
しかし江戸後期には現在の兵庫県・灘の酒が興隆し、そちらに需要が移ったんだそう。
その理由は灘の仕込み水にあります。
灘地区は地殻変動によって地中奥深い石灰岩が隆起しているそうで、そこから湧き出る硬水には硝酸カリウムが多く含まれ、通常の軟水に比べて酒母の殺菌度も高く、発酵が安定しており、アルコール度数の高いお酒が造ることでができる。
当時はなるべく濃醇でアルコール度数の高い酒を運び、それを酒店の店先で水で割りアルコール度数を落として販売したそうで、=灘の酒は儲かる ということで人気になったとのこと。
木桶登場以前、壺や甕による日本酒づくり
山形県米沢市の蔵元・小嶋総本家「洌・東光」さんの酒造博物館では、木桶を使用する前に仕込みに使われていたという陶器製の甕桶を見ました。



江戸時代は木桶のイメージがありますが、実は甕桶の時代もまだ続いていたそうです。
日本酒の歴史 明治~戦後の大量生産
その後より安定した酒母造りを目指して「生酛」が江戸時代に、それを簡略化した「山廃」が大正時代に、さらに天然の酒母造りではどうしても腐敗を避けれないために、出来た乳酸を添加する「速醸」製法が大正~昭和初期に発達し(その試験は愛知県の「白老」さんで行われました)、日本酒は安定製造出来ることに。
そして同じ昭和初期、今につながる二つの技術も出来ました。
日本酒、今につながる2つの技術 吟醸仕込み
一つは「吟醸仕込み」
広島県は他の地区より特に硬度の低い軟水です。
そのため安定醸造が難しかったのですが、安芸津杜氏「三浦仙三郎」さん(そのご自宅は安芸津の「富久長」さんに隣接してあります)は低温で長期発酵することでその課題を解決。
その軟水醸造法=吟醸仕込みとして発達していきました。
日本酒、今につながる2つの技術 六号酵母
二つ目は「六号酵母」
江戸時代より、気温の安定した西日本が日本酒にとっては主要産地でした。
しかし、秋田県の「新政醸造」で採取された「六号酵母」によって寒冷地での安定醸造が可能に。
現在は日本酒の産地といえば山形とか秋田・新潟など東日本を思い浮かべることが多いですが、これは六号酵母採取以降のことです。
そして六号酵母はそれ以降の酵母の直接的祖先になります。
(※ 今の酵母は1~5号までの酵母とはDNAレベルで違うそうです。)
そして日本酒の需要はますます高まります。
戦前までは日本酒=純米造りでしたが、戦中戦後の物不足の中でアルコール添加の技術や糖類まで添加した三増酒、そして合成酒などが生まれてきました。
日本酒の歴史 本格的な日本酒造りへ
高度成長もひと段落、ビールなどの他のアルコール飲料の需要も増え、1975年頃を境に日本酒の需要は下降線を辿ります。
そこで日本酒の品質を上げる動きが続きます。
まず飛び出したのが新潟県新潟市 石本酒造「越乃寒梅」です。
原料米の品質にこだわり、醸造アルコール添加を抑えるお酒を出し人気を上げてきました。
それは爆発的で「幻のお酒」として爆発的な人気を獲得しました。
また新潟県では「八海山」や「久保田」「〆張鶴」がそれに続き”新潟の端麗辛口”という一ジャンルを築いて人気になりました。


また東京の酒類問屋岡永さんが
「日本名門酒会」という蔵元組織を造り、酒質の向上を図りました、そこからは「一ノ蔵」「浦霞」なども人気銘柄として認知されてきました。
また本物志向はさらに高まり米100%で純米酒を造る動きも始まりました。その先陣を切ったのが埼玉県神亀酒造の「神亀」どこよりも早く昭和50年代末には純米酒だけを製造する蔵元になりました。

日本酒の歴史 今に繋がる限定酒の人気、そして純米吟醸の興隆へ
平成期に入り、今の日本酒の流れに直接に繋がるのが山形の「十四代」の登場です。
それまでは大吟醸仕込みというのは年に何本も造らない特別な技術でしたが、それを本醸造に落とし込み、匹敵する酒を低価格で発売し、大人気のお酒になりました。
またその周辺から「米違い表記」「無濾過」などでの商品化、さらに限定という形で発売するようになりました。
また、社会システムの大きな変化として、クール便の運用が始まったことも日本酒文化に大きく影響を与えています。
クール便の普及により、蔵元でしか飲めなかった生酒も、家庭で楽しめる時代が始まったのです。
この流れを受けた、無濾過生酒で人気を博したのが福島の「飛露喜」です。
日本酒の歴史 焼酎ブームを経て 団塊ジュニア世代の蔵元の活躍、そして獺祭
日本酒は、焼酎ブームで大きな苦難を強いられます。
2000年代初頭から始まった焼酎ブームによって、日本酒の需要は過去に無いくらいの落ち込みとなったのです(当時は当店でも焼酎40種類のメニューになんとか辛口2種を入れてもらうような状況でした)
そんな時期に蔵元に帰ってきた次世代の蔵元が、苦しい状況の中、新しい酒質の日本酒を醸し始めていきました。
先陣を切ったのが愛知県名古屋市 萬乗醸造「醸し人九平次」。 吟醸酒の手法ではなくワインをイメージに、立ち香でなく含み香で、そして辛さでなく酸で切らすお酒を、
さらに、”火入れでも微発泡感が残るお酒” を提案し、今の日本酒の形を造ってきました。

また三重県名張市 木屋正酒造「而今」では
吟醸の形をとりながら、味わいはしっかり膨らみ、それを綺麗な酸を出す事でしっかり切らす。
まさに今の主流の吟醸スタイルを提案し、一躍大人気酒に躍り出ます。

そして同世代の蔵元、山口県永山本家酒造「貴」、秋田県「一白水成」、福島県「奈良萬」、そして滋賀県「七本槍」などが、団塊ジュニア世代を代表する日本酒として人気を上げます。



ここで、日本酒人気の上昇を決定づける蔵元が現れます。山口県 旭酒造「獺祭」です。
獺祭が牽引した日本酒ブーム
それまでの吟醸酒(最高品質の吟醸酒)は、杜氏さんの経験値をもとに少量生産という体制で丁寧に造ることから生まれていました。
獺祭はこれを徹底的に数値化、そして手造りの作業スタイルはそのままに、人海戦術+同じ建物に5つの製造ラインを造る等で山田錦の純米大吟醸の大量生産を成功させます。



それまではごく限られた環境の方しか口にできなかった最高品質の吟醸酒が、どんな方でも味わえるようになりました。
この流れで、獺祭が牽引する日本酒ブームが2010年前後より起こり、各地に ”日本酒バー” や ”日本酒を中心にした居酒屋” さんが出来る時代がやってきました。
ここで、多彩な人材が日本酒文化に合流したことで、日本酒の楽しみ方も広がりを見せます。
例えば、また関西を中心にした西日本ではあえてお酒を酸化熟成させ、それを平盃を使い常温やお燗で飲むスタイルも流行に。このスタイルは、より和食へのマリアージュを重視する姿勢として評価が上がってきています。
吟醸酒全盛に反旗を翻すよう生まれた「新政」

吟醸酒全盛の時代に、反旗を翻すように生まれた日本酒が秋田県 新政酒造「新政」です。
山田錦や雄町を使うのが当たり前の時代に、あえて「秋田県の酒米」のみ。そして吟醸酵母も使わず「六号酵母」のみで。
さらに、ナチュラル指向の世界に準じて「速醸」を撤廃し、御燗向け旧来の製造方法だった「生酛」をモダンスタイルのお酒に当てはめてきました。
さらに、さらに、 白麹造りや貴醸酒、そしてサーマルでの温度調整が当たり前の中で木桶仕込みをも復活させます。
こうして、ナチュラルを主軸に添えて、モダンの中に伝統スタイルを取り入れる新しい流れを造りあげました。
日本酒の歴史これからは。 製造免許の緩和、海外進出
焼酎ブームからの日本酒ブームを経て、2010年代末に起こってきたのは、海外への動きです。
日本酒の国内需要が落ちついてきたことで、いよいよ、各蔵元は本格的に海外進出を狙ってきています。
その動きには、日本酒の製造所自体を海外に設けるという方向もあります。
アメリカやイギリスフランスでは現地の人が製造所を立ており、また獺祭もアメリカで製造所を立ち上げ、新興勢力であるWAKAZEもパリに製造所が立ちあがりました。


国内で製造した日本酒を海外へ輸出する動きとしても、(とりあえずではありますが)海外進出に向けた製造免許が解禁されており、国内向けについても近いうちに解禁になるのでは?という予測もあります。
そうなると・・・
新しい資本の流入が日本酒の産業構造を根本的に変革するのか?グローバリズムに巻き込まれる?・・・
そうした憶測はありますが、でも、あくまで「日本酒は国酒」であって欲しい。 という筆者の要望を持っていったんこの章を締めたいと思います。
![]() 酒泉洞堀一が考える日本酒 |
![]() 店主が飲んだ瞬間の感動を即文章にしています |