【~Philippe Pacalet / フィリップ・パカレのワイナリー訪問記:2025年7月8日火曜日午前~】
フランス:ボーヌ
ボーヌの朝散歩
ワイン産地の中心地、ブルゴーニュの「都」と呼ばれるボーヌに宿泊しました。朝、旧市街を散歩すると、堀と城壁に囲まれた風情ある街並みが広がります。15世紀に建てられたオスピス・ド・ボーヌのカラフルな建物が目を引き、ワインオークションで有名なこの旧慈善病院は一見の価値があります。石畳の道には教会やカフェ、ブティック、ワインショップが立ち並び、歩いていて飽きることがありません。
フィリップ・パカレのワイナリー訪問
ボーヌ駅から車でわずか3分の便利な場所にあるフィリップ・パカレのワイナリーを訪れました。以下は、Grokから転載したフィリップ・パカレとそのワインについての紹介文です。
フィリップ・パカレの概要
フィリップ・パカレ(Philippe Pacalet)は、フランス・ブルゴーニュ地方を代表する自然派ワインの生産者であり、醸造家です。彼のワインは、ビオディナミ農法や自然酵母を用いた醸造方法で知られ、テロワール(土壌や気候などの地域特性)を忠実に表現することに重点を置いています。
【フィリップ・パカレの背景】
◆出身:ボジョレー地方のブドウ栽培・醸造家の一家に生まれ、ワイン造りは彼にとって自然な道でした。叔父は自然派ワインの先駆者であるマルセル・ラピエール。
◆経歴:ディジョン大学で醸造学を学び、そこで自然派ワインの祖とされるジュール・ショヴェ(Jules Chauvet)に師事。この出会いが彼のワイン造りの哲学に大きな影響を与えました。その後、ローヌ地方の「シャトー・ラヤス」やブルゴーニュの名門「ドメーヌ・ルロワ」で修行を積み、ドメーヌ・プリューレ・ロックの醸造責任者を10年間務めました。2001年に独立し、自身のネゴシアン(ブドウを購入してワインを造る生産者)を設立。
◆逸話:ロマネ・コンティ(D.R.C.)の醸造責任者のオファーを断り、自身の理想のワインを追求するために独立したことで知られています。
【ワイン造りの特徴】
フィリップ・パカレのワインは「自然派ワインの代名詞」とも称されますが、彼自身は「自然派」を名乗らず、伝統的なブルゴーニュワインの追求が結果的に自然派の手法につながったと述べています。主な特徴は以下の通りです:
◆ビオディナミ農法:化学薬品や農薬を一切使用せず、硫黄やマグネシウムを含む植物性調剤のみを使用。土壌とブドウの自然な力を重視します。
◆野生酵母:畑に生息する約30種類の自然酵母を活用し、発酵中の温度管理を行わない。これにより、各テロワールの個性がワインに反映され、複雑で多層的な味わいが生まれると彼は考えています。
◆SO2(亜硫酸塩)の最小限使用:醸造中はSO2を一切添加せず、瓶詰め前に必要最低限のみ添加。ボジョレー・ヌーボーのようなワインは完全無添加の場合もあります。
◆全房発酵:セミ・マセラシオン・カルボニック(半炭酸ガス浸漬)による全房発酵を行い、ブドウの茎や果皮を活かして複雑な風味を引き出します。
◆樽の使用:過剰な樽香を避けるため、1~2年使用した樽を主に使用。熟成中は澱引きや清澄、濾過を行わず、手作業で瓶詰め。
【代表的なワイン】
フィリップ・パカレのワインは、ブルゴーニュやボジョレーを中心に、赤ワイン(ピノ・ノワール、ガメイ)、白ワイン(シャルドネ、アリゴテ)、スパークリングワインを生産しています。以下は代表的な銘柄の例です:
◆ジュヴレ・シャンベルタン:力強く、筋肉質な味わい。スパイシーでリッチな果実味が特徴。
◆ムルソー(リモーザン):シャルドネ100%で、ミネラル感と濃厚な果実味、トーストのような香ばしさが調和。熟成による深みが期待できる白ワイン。
◆ボジョレー・ヴァン・ド・プリムール(ヌーボー):ガメイ種を使用し、フレッシュでエレガントな味わい。自然派らしい果実味が人気。
◆ビュル(スパークリング):アリゴテとピノ・ノワールのブレンドで、SO2無添加、瓶内二次発酵による繊細な泡が特徴。
◆ポマール:濃厚でスパイシー、ポマールらしい硬さと滑らかさを兼ね備えた赤ワイン。
【ワイナリー】
ワイナリーでは、フィリップ・パカレ氏と息子のレノ・パカレ氏が出迎えてくれました。レノ氏は2023年から自身のワインをリリースしており、父とは別の畑で友人と共同で醸造。将来のワイナリー継承に向け、着実に実績を積んでいます。
【2024年ヴィンテージの状況】
2024年は雨が多く冷涼な年で、ピノ・ノワールの収穫量は例年の6~7割に減少。白ワインは比較的影響が少なく、結果的に白ワインの生産量が赤を上回りました。一方、2025年は記録的な猛暑日があるものの、雨や涼しい日もあり、1990年代に似た気候。有機栽培で認められたボルドー液の使用も前年の半分以下で、順調な生育が期待されています。広大な地下セラーは、樽が少なくゆったりとした印象でした。
試飲
【レノ氏のワイン試飲】
レノ氏の2024年ヴィンテージを5種試飲。以下が印象的でした:
◆マランジュ(赤):密度が高く、締まった味わい。
◆アリゴテ(白):丸みのあるニュアンスで非常に美味しい。
◆マランジュのシャルドネ(白):全体の栽培の15%のみの希少なワイン。フルーティでミネラル感があり、樽の風味が程よく、12.5度のバランスの良さが際立つ。
レノ氏のワインは、父の技法を受け継ぎながら、将来の飛躍を感じさせる仕上がり。継承に向けた素晴らしいスタートを切っています。
【フィリップ・パカレ氏のワイン試飲】
パカレ氏の2024年ヴィンテージを樽から直接試飲。シラー、ガメイ、ピノ・ノワール、白ワインの順で、約50種を試飲する贅沢な時間でした。
◆ピノ・ノワール(赤): ラドワやニュイ・サン・ジョルジュはフルーティで安定感あり。ポマール・エプノ1erクルとポマール・ブルジアは力強さとバランスが印象的。1樽のみのシャンボール・ミュジニーは感動的な味わい。
◆ シャルドネ(白): ムルソー1erCruは締まった酸が素晴らしく、ピュリニー・モンラッシェは蜜のような甘美な風味。
パカレ氏のワインは、畑ごとのテロワールを明確に反映。鉄分、塩気、甘味の質が異なり、どれも確実に美味しい仕上がりです。
パカレ氏のワイン造り哲学
試飲中の解説で印象に残った言葉をまとめました:
◆良いブドウを選果すれば、良いワインができる。
◆ピノ・ノワールはシラーより安定したワインに仕上がる。
◆シャルドネはシャンパーニュと異なり「熟度」が鍵。ゆっくりプレスすることでタンニンが生まれ、良いワインに。
◆赤ワインは伝統的なセミ・マセラシオン・カルボニックで醸造。流行の完全マセラシオン・カルボニックはジューシーだがテロワールが出にくい。
◆石灰石の多い土壌は色が薄く重い味わい、粘土が多い土壌は色が濃い。
◆樽を転がして澱と接触させるルミアージュ作業を行う。
◆赤ワインは料理作り、白ワインはお菓子作り。白は簡単だが繊細な作業が必要。
◆白ワインは澱に漬けることで土地の美味しさを引き出す。頃合いを見て樽を転がし、還元させることで熟成が進む。
◆コンドリュー・ヴィオニエはマセラシオンを長めにして苦味でバランスを取る。
◆新樽は使わず、2~3年の古樽を補修しながら15年程度使用。
◆白ワインは赤ワインより長く寝かせた方が良い。






















































