【~Yann Bertrand/ヤン・ベルトラン訪問記:2025年7月~】
フランス:ボジョレー地域 フルーリー(Fleurie)
ブルゴーニュのコート・ドール地区を訪れた後、夜はボジョレーのクリュに指定されている「モルゴン」のホテルに宿泊しました。 前回も同じホテルに泊まったことがあるため、土地勘があります。翌朝、散歩に出かけました。ホテルのすぐ脇の坂を登ると、「モルゴン」の中でも特別な土壌として知られる「コート・ド・ピュイ」が広がっています。その脇を抜けて坂を下ると、モルゴンの小さな街に到着します。かつては自然派の生産者たちが夜な夜な集まるバーがありましたが、今は廃業してしまい、街は少し寂しい雰囲気です。
若手自然派の第一人者として知られるヤン・ベルトランのワイナリーへ
若手自然派の第一人者として知られるヤン・ベルトランのワイナリーは、この街の外れにあります。彼のワイナリーは2005年から有機栽培、2013年からビオディナミ栽培を始めました。数年前に引退した自然派生産者から譲り受けたワイナリーは、醸造所、セラー、瓶詰め施設が整っており、非常に清潔で美しい環境です。 (※このヤン・ベルトランに関する記述は、メモを紛失したため、記憶と同行してくれたインポーターさんの投稿を参考に書いています。誤りがあるかもしれません。)
以前は父親や従兄弟とワイナリーを共有していたため、作業のタイミングが制限されていました。しかし、現在はビオディナミのカレンダー(月の満ち欠けや星座の動き)に従い、最適な時期に作業を行えるようになりました。 新しいワイナリーには冷却タンクが導入されており、ブドウを冷やしながら完全なマセラシオン・カルボニック(二酸化炭素のみの環境で、ジュースとの接触を避けた醸造)を行えるようになりました。これにより、ガメイ種のブドウの香りを最大限に引き出しています。 また、低温発酵も可能になり、以前は熟成に時間がかかっていた彼のワインは、非常に柔らかく飲みやすくなりました。全体のバランスも向上し、より親しみやすい味わいになっています。
彼の代表的なキュヴェ「Chaos / カオス」
モルゴンのワイナリーから車で10分、高台に位置するクリュ指定の「フルーリー」。ヤン・ベルトランの実家のワイナリー前に広がる畑を訪れた。花崗岩が風化して砂質となった土壌は、水はけが非常に良い。ここで生まれるのが、彼の代表的なキュヴェ「Chaos / カオス」だ。
2024年はボジョレー地区にとって雨が多く、非常に冷涼な年だった。そのため、ヤンのワインの生産量は少なく、セラーもがらんとしていた。2025年もベト病が多発し、ブドウの結実不良が目立った。この畑のブドウも実が小さかったり、欠けたりするものが多く、約3割の減産が見込まれるという。
驚き!ヤン独自の4つのこだわりポイント!
1. 樽熟成を「最後のスパイス」と位置付け、キュヴェごとに厳選した古樽を使用。
ヤンは、ヨーロッパ各地から集めたピノ・ノワール、シャルドネ、シラー、ガメイ、モンドゥーズなどが熟成されていた多様な古樽を使用している。これらの古樽は、ワインの味わいに「最後のスパイス?」のような影響を与えると彼は考え、キュヴェごとに最適な樽を選んで使用する。その詳細な説明を受けたが、確かにその影響を感じられる気がした??
(補足:日本のワイナリーでは、ヨーロッパの古樽の入手が近年難しくなっているとよく耳にする。新樽を使わざるを得ないケースも増えているが、これはヨーロッパでの古樽需要の高まりが原因かもしれない。)
ヤンは、スペイン、ポルトガル、フランスのピレネー・オリエンタル産など、4つの産地のコルクを使い分けている。ただし、味わいへの最終的な影響は今回の訪問では確認できなかった(>人<;)。
「カオス」や「ダイナマイト」のキュヴェはサンスフル(無硫黄)で造ることが多いが、硫黄を使用する場合はイタリアから取り寄せた自然の火山硫黄を気化させて使用する。自社で気化装置を所有し、化学的な添加物は一切使わない。この硫黄は、ビオディナミ農法の一環として畑にも散布されている。
フルーリーのブドウ畑では、樹齢80~100年の古木が中心だが、抜いた古木の後にはアリゴテや110種類もの多様なガメイを植樹している。これは、猛暑や乾燥への対策として行われている取り組みだ。
ヤン・ベルトランは、先人たちが築き上げたビオディナミ農法や醸造技術を継承しつつ、彼独自のこだわりを加えてさらに突き詰めている。その明るく魅力的なキャラクターと、テロワールを反映したエネルギッシュなワインは、間違いなくボジョレーを代表する生産者としての地位を確立するだろうと感じた!
























































