新政セミナー 「過去と今を結びつく素晴らしい驚き!日本酒ならではの感動をお届けしたい。」

今は9月!大分遅くなりましたが(汗)7月に行いました飲食店様向け「NEXT5セミナー 一白水成・新政」より新政の酒造りをアップしました!是非ご覧ください。追ってそのクエスチャン・タイムと「日本酒の未来を見に行こう・セミナー」なども随時アップしていく予定です。ご期待ください♪

——————————————————

新政セミナー 「新政の酒造り」 


講師 秋田県秋田市 新政醸造 蔵元 佐藤祐輔さん


DSCN4839


1930年頃に3代前の曽祖父が六号酵母を発見。日本酒の世界に変革をもたらしました

 

当蔵は秋田市の街中で酒造りをしています。1852年創業、162年目くらい。今の日本酒蔵の平均的な年数。 私は8代目蔵元に就任いたしております。


DSCN4834

過去、1930年頃に3代前の曽祖父(ひいおじさん)が六号酵母を発見。日本酒の世界に変革をもたらましたことがありました。それで有名になった時期があり、弊蔵の中興の祖としています。

その六号酵母の発見の事は日本酒の教科書にも最初に出てくるトピックスです。 


そんな当蔵ですが経営的には乱高下していました。


秋田はよく飲む人が多く普通酒の消費が多い。現在でも、秋田は全国で67番目日本酒生産量、(ちなみに愛知は4番目)、たくさん作って、地元でたくさん消費する。


その中で街中の蔵でコストかかる造り、手の込んだいい酒を造ろうと趣味的になりながらも「酵母限定、地元素材」など原料に縛りをいれてその中で個性を出しています。

 

 DSCN4835


あくまでポリシーありき!蔵発祥の6号酵母と地元の素材をこだわる


一番大きい縛りは秋田県のお米しか使わないこと。

個人的には山田錦と雄町も好き、特に一番好きな酒米は雄町。 康永さん(一白水成)は旨く使っている。過去、秋田で雄町を栽培してみたけどうまくいかなかった。

 

苦しいけど蔵発祥の6号酵母と地元の素材をこだわる!山田錦と他県の米は使わない。


例えばこの試みは静岡や岩手では厳しかったと思う。幸い、秋田は平地が多く米の量が豊富。それで秋田の米だけでやってみようと思い立ったのです!


山田錦を使えない事は若干不利だけど、山田にはない個性が地元の酒米にある。米を磨く競争には加わりたくないと思っていますし!あくまでポリシーありき、


DSCN4837


秋田には幾つもの酒米がある

 

秋田には幾つもの酒米があります。その内、代表的な米は二つ。

 

「酒こまち」 秋田で開発された米。早飲み傾向、個性的・美しいお酒になる、非常に素晴らしい米

 

「美山錦」 全酒米でTOP3に入る製造量。もともと長野県の米。 にがいシブイがあるが持ちがいい。

 

他にもこんな酒米があります。

 

「美郷錦」

山田錦と美山錦の血が入っている。美山よりふくよかなところがある。 両親の性格が違い過ぎて栽培も難しい。造るのも難儀する。

 

「改良信交」

私が一番好きな米 昭和3040年代 秋田で開発されて育てられた、美山錦が栽培し易いとのことで滅亡したが、復活させて造ったら素晴らしいお酒になった。今ウチで増やしている、他の蔵でも使ってもらいたいと薦めています。

 

「吟の精」 単品で使わないけど、麹造りはこの酒米でしている。一白水成さんでも特別純米の麹米に使っている。

 

酒米は食べる米とは全然違う、1.52倍の価格がある。 苦しいけど酒米中心でやっている。

 

20131月から純米だけの製造になった。」

 

それに純米造りしかやっていない。 以前は8割くらい普通酒 半分くらいタンク貯蔵。 ひどい赤字で大変だった・・

しかし!手の込んだことをしたかったから毎年変えてきた結果、20131月から純米だけの製造になった。 

 

純米が好きということがわけでない、純米市場主義でもない。

考えるとアルコール添加酒が市場の七割をしめている。 自分も本醸造、吟醸、大吟醸を飲む、美味しいと思うし、味が軽くなると思う効果もあると思いますし。

 

酒質至上主義ではなく・・その前にいくつものポリシーを持ってやっているわけで・・限られた酒米の中で酒造りをするなら純米酒がいいかなと思い変えさせてもらった。

 

また、日常的に安いものを造ることも必要だけど、もうちょっと上のものは原料に気を掛けていいんじゃないか?と思ってもいます。

 

 

「我々の技術で常識を覆したものを提示したいと思い、山廃・生モトを造る」

 

古来の山廃造り、ほとんどがその製法で仕込む。そして1本だけ生モトをやっている。 

 

生モト・山廃の造りとか間違っているイメージがありまして、色が付くとか、臭いとか・・本当は違う!

 

技術者の立場から言わせると、完璧でしっかりした生モトは全然味に雑味が無いし、その他の造り方の酒母とは全然損傷がないところか! 乳酸菌の力で酒が長持ちしますし、深味も出る これを勘違いされている!


そんな既存のイメージを我々の技術で常識を覆したものを提示したいと思い、山廃・生モトを中心に造らせていただいています。

 

 

合瓶が多い。その理由は・・酒が足りなくなっていきている。お米が手に入ってこなくなっている

 

ウチは四合瓶が多い。その理由は・・酒が足りなくなっていきている。お米が手に入ってこなくなっている。

 

酒米中心で!しかも秋田で縛っているところもあるのですが秋田県は農家がいなくなっている。

国政策でお米の値段を高止まりしているにも関わらず!コストがかかって農家が儲からない、後継ぎがもどってこない、農協は崩壊寸前、年々入ってくるお米の量が減っている。

 

それに、ウチのお酒の磨きが年々高くなっている。お酒を造っても粕ばっかり出て、全然肝心なお酒にならないのです。

お酒が足らない状況になって打ち出した対策それは・・一升より4合のほうが本数多くなる、全く手には入らなくなったら申し訳ない。


サイズが小さくてもいいから今までのお客に出したいという気持ちもあって・・申し訳ないけど4合瓶で、という話だったのです

 

DSCN4838


90cc60ccのグラス的な呑み方がメインになる、そうすると口開け回数が増え、酸化のリスクを考えると四合瓶スタイルがベスト

 

だけど、飲食店さんで飲むとやっぱりこっちのほうがいいなと最近思ってきた。

日本酒はワインに認められている酸化防止剤を入れていけない。ワインよりオーガニックなもの、 酸化させないというと10度以下の冷蔵にしないといけない、酸化に弱い。

口開けにすると 今のお客様は比べ飲みをしたいから1合は多い、それだと「全部飲めない」という人が少なくないはず!

90cc60ccのグラス的な呑み方がメインになるという予想が私は立ちます。 

 

それだと日に一升瓶だと20回くらい口開けることになるそれが2日で開くの?という疑問がある。

4合瓶に移し替えることもあるが、あれも熱湯脱菌しないと危ない、

そういう事情で全世界的に600750ccくらいが丁度いいということになっているとも思う。

DSCN4840

 

一升瓶は燗酒スタイル常温保管で焼酎と一緒にカウンターに。

四号瓶は冷酒で冷蔵庫に並ぶのが絵的にも美しいと思う。

 

確かに一升瓶はカッコイイ、スタイルとしては抜群。

それらは燗酒とか常温で保管できるもの、ある程度は蔵で酸化させて出荷されるものがよろしいじゃないでしょうか?

 

燗酒にするといやな香りが飛ぶこともあるし、それでバランスがとれる、発酵食品ですので日本のお料理にマッチングする。

それで燗酒は常温保管がいいと思う、焼酎と一緒にカウンターにずらっと並んで、冷酒は冷蔵庫に四合瓶に並んでいるのが絵的にも美しいのでは!?

 

値段では一升瓶がお得。これはしょうがない。四合も一升も瓶の値段が一緒ですし、それにラベル代も同じという事情がある。

値段バランスじゃもう少し近づいてもいいと思っている、それは我々の業界がやるべき事だと思う。

日本酒も人気が上がって種類の扱いも増える今だからこそ!専門飲食店の皆さんがリードする形で酒質をもっと守ってほしい

日本酒も人気が上がっていることで種類の扱いも増えることだと思うので!日本酒は繊細なものですから

専門飲食店の皆さんには、酒質にもっと守って一般のお客様に提供してほしいと思う。


 DSCN4845

 

 

「木桶仕込み・木桶でのモト摺り」高級酒に木の力をかりて木の自然なエネルギーとパワーを取り入れないかと思ってやっている

 

私は最近、木桶仕込みやモト摺りで木の材料のものを使っている。

 

日本酒も200年くらい昔はカメで造って、その後、木桶、戦後ホーローとかステンレスと木の香りがしない管理が楽ものになった。ワインも一時木を捨てたのですが、また取り戻している、

 

吟醸は米を磨くと味が綺麗になる代わりに米の旨味が失われる。私も高級酒に木の力をかりて木の自然なエネルギーとパワーを取り入れないかと思ってやっている。

その内ワインみたいに高級酒は木の香りがしないと物足りないという時代がくるかもしれません。

 

 

6号酵母によって北日本は初めて日本酒の銘醸地になった

 

家の先祖、曾祖父は大阪大学で勉強した。当時の日本酒造りは西日本中心、東北は銘醸地では全然なかった。

80年前に6号酵母を採取され、毎年醸造協会から配布されている。 15号の遺伝子と6号は全く違う、今の酵母は遺伝的には全て6号酵母、つまり6号酵母は今いる酵母の親。 

 

日本酒は西日本が中心に発達してきた。13号は灘・伏見 3号~5号は広島。

その他名醸地といえば福岡、佐賀、広島、愛知。 愛知は明眸が最強蔵として有名だった。 愛知から北はいい酒が出来なかった。

1930年頃、当蔵は東北ではめずらしく鑑評会でいい賞をとっていた。

これは何かあるぞ?と鑑評官の先生が蔵に来て採取したのが6号酵母。低温で綺麗に発酵できるものが発見された。

 

当時の技術では、寒すぎて東北では完全発酵できなかった。6号酵母が低温で発酵できるようになったから銘醸地が変わった。

 

低温で発酵できる酵母が発見されてから。現在の銘醸地 東北、北陸のイメージになったのはその後、

 

過去と今を結びつく素晴らしい驚き!日本酒ならではの感動をお届けしたい。

 

伝統的製法、素材を貪欲に取り入れていきたい。もっと今までに廃れた技術も復活させたい!6号酵母もほとんど使ってなかった。

 

それと農業、われわれ自身が栽培しなければいけないことも出てくる・増えてくる。

・・それによって日本酒がもっと楽しくなる。そんなお酒を造っている。過去と今を結びつく素晴らしい驚き!日本酒ならではの感動をお届けしたい。



吟醸という言葉は意識的に使わない

 

米の磨きと吟味はあんまり関係ない。 米を磨けば美味しいという誤った錯覚がある。

吟醸という言葉は意識的に使わない5060%精白は美味しいのに40を超えるとこんなものか!?と思うことがある。 

5060とか木桶とか使って出来のいいものを高額酒としたい。

DSCN4846

DSCN4847

DSCN4848

新政について詳しくはこちらより


酒泉洞堀一
www.syusendo-horiichi.co.jp

名古屋市西区枇杷島3-19-22 
地図はこちら
TEL052-531-0290 
FAX052-532-7890
メール 
info@syusendo-horiichi.co.jp
Facebook 酒泉洞堀一

aramasa_top


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
造り手の想いがこもる珠玉の酒が集う
日本酒、ナチュラルワイン、国産ワイン、梅酒、焼酎。名古屋市西区枇杷島に「Shusendo本店」 地下鉄伏見駅伏見地下街に「Shusendo Mini」の2店舗を展開中。 通販・ネットショッピングにも対応。
酒泉洞堀一公式ネットショップはこちら

この記事を書いた人

日本酒・ナチュラルワインをはじめ、美酒のことなら蔵元・正規取扱店の酒泉洞堀一。
実店舗(名古屋市に2店舗)と通販の運営で豊富な在庫を確保。実店舗・通販どちらのスタッフも酒通、全国の日本酒・美酒を揃えております。

名古屋市西区枇杷島3-19-22 
地図はこちら
TEL052-531-0290 
FAX052-532-7890
メール info@syusendo-horiichi.co.jp

目次