秋・日本酒セミナー2日目 二兎・酒屋八兵衛・来福

★ 愛知県岡崎市「二兎」 杜氏  片部州光さん。


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弊社は岡崎市にあります。 最盛期は 6000石を造ってました、現在は650石です(昔の蔵の建物絵を見せて、今はここまで敷地面積を縮小したと説明)

以前は、三河の濃い料理 に会う 三河武士というイメージで売り出していた。

蔵の県外認知度低く 県内消費が高く 昔ながらの製法、タンク2回火入れ豊潤甘口 !

杜氏になったら変えたいと思ってた。

 

自分では東北の酒が美味しいと思っていた、そこで醸造の先生に紹介してもらって 山形 福島に通った。

いろんなものに影響を受けた。 有名銘柄の蔵元にも見学にいった 蔵人のブランドへの熱意も違う。

自分も誇れるブランドをつくたいと思ったのです。

イメージする酒は料理合わせてでも単体でも美味い酒。 そんな酒を一生を賭けて目指したいと思ってる。

「二兎」のブランド名にはそんなイメージも織り込まれている。

そして産まれたニ兎ですが・・山田錦と雄町がメイン!

何故、そうかと言うと、いろんなお米を使ってみての結果なんです。

カプロン酸系の酵母もイメージに合わず7号酵母をメインに一部9号酵母を使っています。

麹造りは全て突き破精を目指しています。

旨味=甘みと捉えてる

長めの製麹 徹底的に乾燥 雑味の酸を減らす

火入れでは65度あげたら 1秒でも早く温度を下げたい、少しでもお酒がフレッシュであるように目指しています。

今の蔵では造る蔵人は3人体制です。今年は二兎 を3倍の量に増やすことになりまして・・・

今年は踏ん張り所だと思っています!休まず頑張っていきますので応援よろしくお願いします。


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★ 三重県多気郡大台町 「酒屋八兵衛」  蔵元 元坂新平さん


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私の蔵では田んぼ6枚 およそ1町歩(テニスコート36枚分)を 自社で栽培しています。栽培しているのは「伊勢錦」 山田錦の親です。

伊勢はお伊勢詣りで日本中の物流が集まって、 情報公開、文化交流が行われていたそうで・・

この伊勢の種籾、それが兵庫行き山田穂になった!という説を私どもは取っています。

蔵のある大台町は年間もっとも雨が多いところ。

水量が多いので水質に変化が無い


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伊勢錦の話しに戻りますが、一回しか品種改良されてないお米です。

160cm と穂高が高い 米粒量が多い、粒が大きくて心拍が良好で兵庫山田錦と同等程度だそうです。

それは山田錦からふくよかな甘みを抜いた感じ、奥ゆかな甘み、熟成でいい感じになってきます。

ただ通常のお米に比べ僅か15パーセントしか収穫出来ません、 植えても確実にとれないので農家が増えない現状があります。

私どもの酒は、特別に飲む酒でない 飲み飽きしない


1日の疲れを癒し、明日の活力になり、一晩中飲める酒 そんなコンセプトで醸しています。

お酒飲み方ですが・・最初冷たい酒のんで 後半暖かい酒が良いんじゃないかと思っています。

酒屋八兵衛自体は序盤の酒でないと思ってます、酒単体では飲みにくい、しかし飲みにくいほど飽きない。

いろんな酒にはそれぞれ適温があり、気候に応じて毎日の温度判断が必要

りがあっても燗に向かない訳でないと思いますし、また生モトが燗に向くとか定説のように言われてますが!

酒を情報で判断しない 自分で飲んで決めるのが必要だと思います。

燗酒 も 65度以上は皆な同じのなるのでそれ以下の温度をどの位か? 燗付けた味を予想して付けることが出来たら

自分の経験量を増やして、判断していくと面白いと思うんです。

日本酒単体でもコース料理ようなものがあるといいと思います。


冷酒で香り酒、常温では火入酒 お燗酒は加水して等

前菜からデザートまでみたいに

それで、ソムリエのような 店でイニシアチブを持い日本酒の適温と料理の相性をサービスするプロフェッショナルが欲しい

香りの酒の後は温度帯を変えてもう一杯出るなんて面白いと思うんです。

ここから私どものこだわりである「山廃」の話しをさせていただきます。

山廃は速醸よりも綺麗な味わいと定義しています。

山廃の酒母ではいろんな微生物が活躍。

初期は硝酸還元菌が活躍する。微生物をバリヤー 亜硝酸を出して弱酸性にする(速醸は出来上がった乳酸を添加することで酸性にする。

中期は乳酸菌が乳酸をだす。それで自分で出した乳酸で死ぬ。

生モトと山廃の違いですが・・山卸しを前者はする、後者は名前通りしない。

 山卸しをする生モトは、米の糖化を促進して甘くて濃い酒なる。

微生物の活動を抑える手法で初期の雑菌繁殖を抑えています。

生モトは今迄の経験からの人間の知恵が働いてできた手法だと思う。

それに対して山廃は顕微鏡が出来て、微生物の動きわかってからの近代的な手法だと思います。

山廃 はしっかり硝酸還元菌が働く微生物が動きまくる

なので酵母の栄養素が少なくなり、出来るお酒はアミノ酸が少なく 米の旨味で飲める味になります。

まとめると、両者には微生物の活動に差があり生モトは甘くて濃い酒になりやすく、山廃 はアミノ酒が少なく酸も少なく甘味ではなく綺麗な旨味が全面に出る酒になる。

将来、私どもでは全量を山廃にしたいと思っています。

★茨城県 「来福」 蔵元 藤村俊文さん。


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今日はまず花酵母の話をします。

協会酵母は10号までは天然酵母でした

それ以降の香りの高い協会18号 明利M310などは人工的な酵母です。

もともと出目を言うと、それらは空気中にいた酵母

花酵母はその原典に帰る目的がある。

糖分を栄養にするのが酵母、自然の糖分にあるところに出てる。

取ろうと思っても取れる確率は1000分の1。ある花から酵母を採ろうと思うと、全国からその花を集めてくる。それで実際に酵母を採取できるのはそんな確率なんです。

花酵母は実は花にいる訳では無く、空気中にいたのが花に着いたもの!

ですから東京と名古屋の花から採取出来た場合は違う酵母かもしれない。

香り高い酵母も天然から取れています。ナデシコ・アベリア

酵母はフレーバー 、まあステーキのソースなようなものでもありますね。

ここからは酵母の話しを外れ、当社の酒造りの話しになります。

先ほどの話をした酵母が15種類。

花酵母が大半で協会酵母はほとんど使いません。

それに米も20種類ほど使っています。

それらを組み合わせて、毎年必ず新しいものを造ることにしています。それに新しいお米出来たら 新しい酵母出来たら、必ずやります!と手を挙げる。

お米も最近は温暖化で西の米より北の米が安定した品質だったりしてますので、北の米の扱いを増やしています。

やはり時代の先端の酒を造りたい、今の食のニーズに合ったもの、老若男女楽しめるもの。

モットーは 楽しんで造る。 750kg仕込なので小回りが利きます。

 

本当いろんなものを造ります!

例えば・・何処まで辛くなるか?というテーマで、ベコニア酵母を使って+18以上の超辛口。これが一番の売れ筋になりました。

それから「超精米」というお酒を造っています。「常陸錦」というお米があってこれが非常に硬い!

 毎年、数蔵と何パーセントまで削るかという競争をしていた!現在は8%までなった。来年はさらに上の数字を狙うかもしれません!?

同じスペックのお酒だけど・・種麹違いとか・・これはマニア心くすぐります。

そんな感じでやっています!

酒造りは「全てが連携」。

昔はその部署ごとの職人さんがモクモクと作業してたものですが、今日のお米は、今日の温度、今日の水はいろんな部署がそれぞれが声掛けして情報共有していくのが大事です。

そんな雰囲気で今年も良い酒を醸していきますので、よろしくお願いいたします。


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この記事を書いた人

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